陶芸作家
石川県在住、制作
特徴
磁土/染付、上絵
うつわや壁掛けなど様々な形体に絵付けをしている
風や光など目には見えないものを植物や人物にイメージを重ねて表現しています。染付と上絵の技法を用いて一層ごとに絵付けをすることで、奥行きのある空間表現と磁器の特性である透明感をより引き出したいと考えています。
プロフィール
1996 滋賀県生まれ
2021 愛知県立芸術大学美術学部 デザイン・工芸科陶磁専攻卒業
2023 愛知県立芸術大学大学院 美術研究科陶磁領域修了
金沢卯辰山工芸工房 陶芸工房入所
受賞/入選
2022 第53回東海伝統工芸展 安藤氏賞
2024 第80回記念金沢市工芸展 石川県伝統産業振興協議会会長賞
展覧会
2022 「ラビット・ドラゴン・マウン展2024」髙島屋京都、大阪 巡回
2024 「現代作家茶碗特集」(日本橋三越、東京)
WHATS Hong Kong 2025 コンラッド 香 港 ホテル(香港)
推薦コメント|大井 真希 金沢卯辰山工芸工房 専門員
彼女の作品に触れたとき、まず心に広がるのは「静けさ」と「やさしさ」である。「自然の美しい情景」が磁器による造形と色彩で表現され、見る者の心に優しく響く。磁器の特性を活かした染付と上絵の繊細な重なりは、花が風に揺れる瞬間や、春の陽が差し込む情景を思わせ、一人一人の記憶の中にある「やさしい時間」を呼び起こす。そこには、単なる装飾を超えた「対話」が宿っている。制作の基底には、「風や光、またそれらを取り囲む時間」に、「植物や人物のイメージ」を重ねて描くことで、美しさや儚さを具現化したいという思いがある。彼女の作品に触れることで、日々の生活にほんの少しの詩情を加えることができるだろう。そして現在、その確かな技術力を軸に、布による造形に泥漿を染み込ませる手法で新たな造形表現を模索している。今後の活躍が楽しみな作り手である。

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