陶磁器作家
神奈川県在住、制作
特徴
表面装飾を用いた陶磁器制作
日常で目にする「植物が群生することで生まれる情景」を制作のきっかけとして、陶磁器作品を制作しています。
プロフィール
2000 神奈川県生まれ
2022 多摩美術大学 美術学部工芸学科卒業
2024 多摩美術大学 大学院博士前期課程工芸専攻 陶研究領域修了
現在 多摩美術大学工芸学科 陶研究室 副手
展覧会
2022 「Emerging Artists 2022」( ギャラリー Q、東京)
2023 「個展 花圃」(多摩美術大学工芸棟ギャラリー、東京)
2025 「てのひらの 春」(フリュウ・ギャラリー、東京)
推薦コメント|佐藤 典克 陶芸作家、多摩美術大学工芸学科 非常勤講師
岸明里さんの制作は、植物をモチーフに、小さな形の集積が生む輪郭や情景を、立体で表現する。石や木の実を思わせる有機的な土台を、指先で丁寧に成形された葉や花が覆い尽くすさまは、まるで苔が岩肌を包み込む山中の風景を、手のひらに閉じ込めたかのようだ。繊細でありながら決して大きくはない作品は、観る者を引き寄せ、近くで覗き込みたくなる「親密な時間」を生み出す。意図された形に無意識の配置が重なり、形態や起伏との対話から必然的に導かれた造形は、その細部まで生命感を宿す。鑑賞者は、葉の重なりや花弁の陰影、土肌や彩色が織りなす景色に引き込まれ、木々がそよぐ山中で過ごすような「閑かなひととき」を感じるだろう。

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